チェックインやチェックアウト、更には問い合わせに対応するホテルフロント。ホテルフロントの仕事に興味があっても、「どんな人が向いているの?仕事がきつい・やめとけと言われるのはなぜ?」といった様々な疑問や不安が出てきますよね。
今回は新卒でホテル業界に就職した私が、ホテルフロントに向いている人や必要なスキル、きつい・やめとけと言われる理由などを経験をもとにまとめて詳しくお伝えします!
ホテルフロントに向いてる人は?
ホテルフロントに向いている人はズバリ、社交性がある人・観察力やホスピタリティがある人・接客が好きな人だと考えます。それぞれ見ていきましょう。
社交性がある人
ホテルフロントは、チェックインやチェックアウトはもちろん、宿泊者の困りごとに耳を傾け対応することもある、いわば「ホテルの顔」ですね。宿泊者やホテルを利用される方に、気持ちよく過ごしてもらうためにはコミュニケーションを円滑に取ることが重要です。そのため人と関わることが好きな人・うまくコミュニケーションを取れる人がホテルフロントに向いています。
観察力があり、細やかな気配りが出来る人
ホテルには多数の方が来ます。期待を膨らませながら来る人もいれば、ホテルに来る途中に何か困ったことがあった方もいるかもしれません。
観察力に長けている人であれば、よりお客様の感情や困りごとなどにいち早く気づき対応することができるでしょう。また、一言気遣う言葉を掛けたり、心に寄り添いながら問題を解決したりすることができる人もホスピタリティがあるためホテルフロントに向いています。
接客が好きな人
ホテルフロントは、事務の仕事もありますが接客をしている時間が長いです。チェックインやチェックアウトはもちろんのこと、ホテルによってはその周辺の観光案内や宿泊者の要望を聞き対応することもあります。そのため「接客をするのが好き!」という方にはうってつけの職業です。
あなたの接客によって宿泊者が喜んでくれたり、お礼のお手紙をいただいたりすることも。そういったことにやりがいや嬉しさを感じる人は、ホテルフロントに向いています。
お客様からもらった手紙は今でも私の宝物です♪
ホテルフロントがきつい・やめとけと言われる理由は?
華やかさもあり接客業務も多いホテルフロント。ではなぜ、きつい・やめとけという声が上がるのでしょうか?
それは金銭面・体力面・精神面で大変さがあるからだと考えます。そしてあなたにきつい・やめとけと言ってくる人は、あなたのことが心配なのでしょう。具体的に3つの理由をお伝えします。
業界として給与が低い傾向がある
ホテル業界は、元々給与相場が低い傾向にあります。
厚生労働省の調査によると、宿泊業界(飲食サービス業を含む)の初任給は大学卒で20万800円、高校卒では16万7800円であることがわかりました(令和元年)。ほかの業界と比べてみると少し低い賃金です。
また、令和4年の賃金構造基本統計調査をみても、宿泊業界(飲食サービス業を含む)が全年齢の合計で25万7400円と産業別で最も低い賃金となっています。この調査で最も高い産業は電気・ガス・熱供給・水道業の40万2000円であるため、大きな差があることがわかりますね。
もちろん、就職するホテルによっても違いはあるかと思いますが、後述する体力面・精神面での大変さがあるのに給与が低いと「やめとけ」と言う人もいるかもしれません。
初任給が低いことがホテルフロントへ就職するネックになるという場合は、気になっているホテルごとに給与を調べてみてください。当たり前ですがホテルによって給与に差があります。
実際に私が新卒で就職したホテルは、比較的給与が高い方で、ホテル業界の仲間に羨まれたことも。その差は約4万円でしたので、大きな金額ですよね。
体力が必要・不規則な生活になりやすい
ホテルフロントは基本的にシフト制で、夜勤があることも多く不規則な生活になりやすいです。
また、ずっと立ちっぱなしや動きっぱなしということが多々あり体力を使います。フロントの混雑やお客様の対応で、休憩が取れないこともあり疲れが溜まりやすい職業と言えるでしょう。このような点から、ホテルフロントは「きつい・やめとけ」とあなたのことを心配する人も出てくるのでしょうね。
私がホテルで働いていた時には、まだ若さもあり身体を壊すことはありませんでした。休日に温泉やマッサージなどに行き、疲れを取ることを意識していたのも効果があったのかもしれません。ですが年を重ねた今ホテルフロントをやってくれと言われたら体力的にきつい部分が想像できるため悩んでしまいます。
体力ありきの仕事なので、若い時は良いけれど年を取っても現場でしっかり働けるとは私は思えません。そのため「長く働けないからやめときなさい!」と考える親御さんもいらっしゃるかもしれませんね。
私自身も退職した一番の理由はあまりにも不規則な生活でした。
「普通の人間の暮らしがしたい…」と思ってしまいました
しかし、昇給を重ねマネジメントする立場になればさほど体力を必要としない仕事にもなりえますし、ホテルの経験を活かした転職も考えることができます。私はホテル業界が憧れであり、実際に就職してみていい経験になったと感じたので、興味があれば一歳でも若いうちにホテル業界に足を踏み入れてみるのが良いと思います!
クレームや苦情もあり精神的負担が大きい
ホテルフロントは、ホテルの顔といえるでしょう。そのため宿泊者がなにか憤りを感じる出来事があったとき、矛先がホテルフロントに向いてくることが多いです。怒鳴られたり長時間苦言を呈されたりすることもあります。
実際にきついという声も上がっています
ホテルのクレーム対応鬼きつい
— Hirano (@hiratomo0811) November 14, 2018
何言ってるかまじわからんごめんなさい笑笑
でも俺のせいじゃない笑笑
自分が悪くなくても、怒りをぶつけられるとへこんでしまいますよね。クレームでなくとも、ホテルという非日常の空間を楽しみに来ているお客様の前で接客することは常に緊張感があります。そういった意味でも精神的負担が大きいといえるでしょう。クレームを言われるとなると不安に感じてしまう人もいるかもしれませんが、反省や対応の仕方を磨いて、段々と心が強くなる人が多いです。
ホテルフロントに必要なスキルは?
ホテルフロントには、必ず持っていないといけないスキルは正直なところありません。働いていく中で業務やホスピタリティを磨いていきます。しかし、あった方が良いスキルはあります。ここでは3つご紹介します。
外国語スキル
ホテルには様々な国籍の方が宿泊されます。海外からの宿泊者の接客をする際、外国語が話せると自信を持って接客ができ、コミュニケーションが取りやすくなります。ホテル業界に多くの知り合いがいる筆者の周りには、英語やフランス語が話せる人が多かったです。TOEICを受験しよりよい点数を目指す人も見られました。
私は英語も他の外国語もダメだったので、
外国の方があまり訪れない会員制ホテルへの就職を決めました(笑)
マナーやホスピタリティの資格・検定
マナーやホスピタリティ系の資格を取得しておくと、知識があるのでゼロから始めるよりも自信を持って接客ができます。就職活動の際履歴書にも記載できるので、有利になることも。
沢山の種類がありますが、私が取得したおすすめの資格・検定は以下の2つです。
ホテル実務技能認定試験(初級・上級)
ホテルマンとしての基礎から宿泊部門の知識、料飲部門の知識まで細かく学べる資格です。
マナープロトコール検定(3級~1級)
社会人として必須のマナーはもちろんのこと、国際儀礼(プロトコール)に関しての知識を学ぶ検定です。
その他にも様々な資格・検定があります。
- サービス接遇検定(3級~1級)
- 秘書検定(3級~1級)
- ホテル実務検定(ベーシックレベル2級~マネジメントレベル) etc…
それぞれ少しずつ違う資格検定であるため、興味があれば自分に合うものを選び学んでみましょう。
接客経験
アルバイト等で接客の経験があると役に立ちます。接客での言葉遣いや立ち振る舞いなどが自然と身につくからです。私はの場合は高校生の頃にホテル業界を志し、大学在学中はホテルの中にあるレストランでアルバイトをしていました。
ホテル業界に就職した友人は、
カフェやファストフード店でアルバイトをしている人が多かったです
接客スキルを積んでホテルに就職することで、ホテルフロントの仕事に就く際、経験が活かされます。ホテルフロントが気になるけれど不安という方は、接客業務のあるアルバイトから始めてみてもいいかもしれませんね。
ホテルフロントは可愛い人しかなれない?顔採用はある?
ホテルフロントは、綺麗な人や可愛い人が多いイメージがありますよね。しかし、ホテルに就職経験のある私から見ると顔採用はしていないと感じました。自分の就職したホテルを見ても、ホテル業界の知り合いを見てもそう思います。
可愛い人しかなれないということはなく、それよりも身だしなみが整っている・清潔感があるということのほうが大切です。
私の就職したホテルでは、現場に立つ前に研修がありその中に「身だしなみ研修」がありました。女性であれば化粧から髪の結い方まで学びます。またあるホテルでは、男性は襟足の長さが決められているといった校則ならぬ社則があるそうです。身だしなみに力を入れていることがわかりますね。
このようなことから、可愛い・可愛くないといったことは重要ではなく、清潔感やキッチリ感があることのほうが大切なのです。ホテルフロントを志望する際には、身だしなみを整えることを意識して就職活動に臨みましょう!
まとめ
今回は、ホテルフロントに向いてる人やあったほうが良いスキル、きつい・やめとけと言われる理由をホテル業界に新卒で入社した私が紹介いたしました。
- ホテルフロントに向いている人は①社交性がある人②観察力があり、細やかな気配りが出来る人③接客が好きな人
- ホテルフロントがきつい・やめとけと言われる理由は①給与が低い傾向にある②体力が必要・不規則な生活になりやすい③クレーム等もあり精神的負担が大きい の3つであるが、各ホテルの給与を見てみたり自分を労わる術を見つける・昇給して仕事内容が変わったりすることなどにより解決することもある
- ホテルフロントに必要なスキルはないが、あると良いスキルはある。①外国語スキル②マナーやホスピタリティの資格検定③接客経験 があるとより良い。
- ホテルフロントは可愛い人しかなれない・顔採用があるは嘘!それよりも身だしなみを整えること・清潔感が大事!
ホテルフロントは大変なこともありますが、とてもやりがいのある仕事です。私は働いてみて良かったと思っています。あなたも理想の働き先が見つかり、その職場で輝けることを願っています!
最後までお読みいただきありがとうございました!